image team:現場のあれこれ 〜記者会見あれこれ〜 2004/01

■会見での撮影は極めて紳士的

映画に限らず「記者会見」というものは、現場でのパターンはほどんど決まっています。 開場前は、スチールとテレビとに分かれて(この頃はWEB系もある)きちんと整列して待ちます。 そしてディレクターが受付をすませてから、順序良く入っていきます。 事件モノなどは受付がありませんが、それでも初めに来たクルーから順序正しく 三脚をたてていきます。暗黙のルールというか、当然の事ですね。 通常はスチールさんが最前列でしゃがみ、その後ろに記者、 最後列にテレビが並びます。映画の記者会見などの場合は、大抵最後列に台が用意されていて 音声ラインも十分なアウト数を用意してあるのが通常です。 事件モノや「囲み会見」と呼ばれるちょっとしゃべるような会見スタイルでは 音声がないケースも多いので、その場合は、音声さんが最前列のスチールさんにまぎれて マイクを向けます。大抵最前列中央の一箇所に音声さんがわらっとまとまります。

せまい会場では、カメラマンは実際にカメラを動かして、前後左右のカメラマンさんに ぶつからないように調整します。また入場シーンなどでは一斉にカメラを横に向けたり する場合もあるので、その場合はカメラマン同士で位置や高さを調整します。

その後カメラマンは色調整をしないといけません。通常はVEさんにグレースケールを 持って立ってもらいカメラマンが白を撮るのですが、自分のVEさんが忙しい時は、 違うクルーが調整していたら、「貰っていいですか?」と声をかけて、 一緒にこちらのカメラも調整してしまう事もあります。 またカメラマンというのはVFに表示される色温度で大体の色予想がつくものですが、 最近は難しい照明も多くなり「この色温度で良いの?」という時があります。 この不安も各カメラマン共通の不安要素で、「6700Kも出ましたけど、 どうですか?」「やっぱり?こっちも3番(フィルターの事)にしたよ」等という言葉も カメラマン同士で交し合ったりする事もあります。記者会見などの場合は 最後にフォトセッションとしって、スチールさん用にポーズをとってもらう事が多いです。 その時は、TVはスチールの後方に脚立をたてて撮影するのですが、この頃はWEB系の媒体 も多く(記者がデジカメを持っている)、なかなか大変です。

そんな訳で、現場では各クルーとも非常に紳士的な暗黙の交流があったりします。 撮影がはじまって、予期せぬ動きがあると各カメラマンとも映像をとろうと必死になるので 不本意ながら結果的にじゃましちゃった!という時もありますが、そんな時は撮影が終わったら ちょっと目で謝ったり、声をかけたりしています(向こうも事情はわかるので)。 ま、中にはそれを乱すカメラマンも時々いますが・・・。


会見が始まる前に白をとっています

「囲み取材」の準備。音声さん準備中。


後方に設営されるTVカメラ席

フォトセッション。舞台前にスチールとTVが混在

■映画の記者会見ではお客様扱い!?

記者会見の中でも楽しみなのは「映画」。事件モノだといつ始まり終わるかわかりませんが、 映画の記者会見は予定通りに進行しますし、受付けから開始までの間に軽食サービスを してくれる場合もあります!(UIPさん配給だと多いですね〜。) 下に映画記者会見の定番会場、新宿パークハイアットでの写真がありますが、サンドイッチは もちろん、お寿司やケーキ、デザートまであってまるで結婚式の二次会です。 ビールまでありましたが、さすがに飲んでいるスタッフはいなかったような(笑)

好待遇で迎えられつつ、会見時間になると、会場は闇に包まれ巨大スクリーンと 突如大音響の中、オープニングがはじまります。予告編を流したり、MCでひっぱたりするので 慣れているとあまりテープを回しませんが(予告編はEPK(Electronic Pless Kit)又は 抜き素材と言って、受付でベーカムを貰える事が多い)、来ているのはプレス関係者だけ なのに、そんな大げさな・・・という感じで始まります。もうお客様扱いです。

でも、本当にお客様扱いされちゃって、「初めにある仕掛けがあります」と言うのですが 「何ですか?」と聞いても、「それは言えません」と言われてしまった事がありました。 いやいや・・・それを撮って視聴者に伝えるのが記者会見でしょう・・・と思ってみたり するのですが、映画通のカメラマンから「多分こうだよ」情報が伝わってきました。 その時は当たり!でしたが、この手の情報は時々「外れ」情報も含まれていて、 全カメラマン「しまったぁ〜」という現場も経験済みだったりします(笑)。

この頃はどんどん会見がエスカレートしてきて、スモーク炊きすぎで主役が見えなかったり、 いろいろ「おいおい、そりゃ〜撮影の事考えてないでしょう」があるのですが、 最近で思い出に残ったのはマトリックス世界同時公開カウントダウンというイベント。 前日の記者会見でもかなり派手な照明効果を使っていましたが、このイベントも大変。 なにせ狭い屋外で当日は雨。深く傘さして登場されたらそりゃ〜写りませんってば(汗)。 しかも大音響でモニターの音はサッパリ聞こえない上、どんどん雨は強くなり、 極めつけは最後に雪を降らす!という仕込みがあって、 なんとカメラクルーの真上から大量の泡が降ってきました。。。 レンズ拭いても拭いても(ブロアーで吹き飛ばす余裕無し!)雨と泡! しかも機材直撃!!思わず撮影終了後、隣の見知らぬカメラマンさんとアイコンタクトを とってしまいました(汗)。やりすぎでしょう、、、これは。


某映画記者会見前のケータリング風景

マトリックスの最後はこうなった記念

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